アマチュア作家は「幸せ」?

「アマチュア小説家は自分の好きな事だけ書けて幸せだ」
こういう事言っているヒトがたまにおるんやけど、果たしてどうでしょうか?
まあ、商業作家でそんな事言ってるなら多分想像力もない三流だろうし、アマチュアが自分自身で言ってるのもどうかと思うし、創作活動をそもそもしない人間が言ってるなら論外中の論外ですね。

例えば、新人賞の受賞目指してる「アマチュアさん」。
そんなに、自分自身の好きなものだけ、書きたいものだけ書いとるか?
多分、そうではないと思うんです。
まあ、色々な事犠牲にしとるんとちゃう?
自分、そんなに幸せか・・?wって感じですねえ。
きっと、受賞を目指す過程で、色々と大事な物を捨てとるで。

同人やってる場合はどうでしょう。
私から言わせてもらうと「馬鹿野郎」って感じです。
「ほんまに好きなもんだけ作って、それで売れたら苦労せえへんわ!!ボケ」って思います。
好きなもん好きなように作れるなんて、やった事のない人間か、ただのラッキーで売れてる同人サークルが言う事です。
確かに、作りたいものの中で、少しでも売れるジャンルを選んで、その範囲内で自由な創作をして売りに出して楽しむという事はありますよ。
でも、売れないジャンルに手出すのは、私は正直怖いと思うほうです。
特に紙媒体の場合、売れ残ったら全部赤字とゴミになって帰ってきますから。費やした時間も、全部ショックに変わってのしかかってきますよぉ。ふっ・・・・。
「売上ゼロでも、自分の作りたいものだけ作る」というサークルさんも確かにおるかもしれん。
でも、それはそれで、かなり強烈なメンタル所有しとるで。
そういうメンタル持ってるサークルは、結構強烈ですよ。
「信念」を持ってるレベルです。
そういう人の事を、簡単に「好きな物だけ作れて幸せだね」だなんて・・・何も分かっとらんし、想像力すらもない奴の吐くバイ菌まみれのタンのような台詞や。
売上ゼロのショックと悲壮感を、私は知っています・・それはもう、ショックや;;!

新人賞を目指しているわけではないし、同人やってるわけでもない人ならどうでしょう。
この場合でも、果たしてそんなに「自由」ですか?
特に、無料投稿サイトに投稿するのが主流となっている今日この頃は。
好きなもん好きなように書くだけで、人来ます?評価されます?ランキング入りします?
結局この場合も、多くの人は別に「書きたいものを自由に書いて幸せ」というわけではないと思います。
「人気出る方法」のコツをつかんでハッピーっていう人はいらっしゃるでしょうけど。でもそれは「好き勝手に自由に書けて幸せ」という事とは違うと思いますね。
人気とか関係なく、本当の趣味で書きたいものを自由に書いて楽しんでいる人はいると思います。でもそういう人に対して、ヨソ者が「自由で幸せだね」だなんて言うなら「余計な世話やアホ」って感じですよね。「オマエに見てもらいたくて書いてるわけじゃないし。第一オマエと関わりたくないわ、どっか消えろやゴミクズ」って感じでしょうかね。

まあ、ある同人サークルで、「好き勝手に自由に描くようになったら売れるようになった」っていうところも、たまにありますよ。
それは、たまたまその人の「好き勝手」と購読者の好みが合致したんでしょうね。
そういう場合には、確かに「オタクは幸せやねえー」って言えるかもしれません。
でも多くの場合は、そうじゃないと思いますよ。
だってそれで上手く行くなら、誰も苦労しませんから・・・。

何やろなー
例えば、仮に出版社経由の職業作家になったとしますよ。
そのメリットと言えば、まあまずカネが入る事やな。
他には、やっぱり仕事として小説書くわけやから、他の仕事一切しないで小説の事ばっかりに力を費やしていいっていうメリットもあるでしょうね。
(※「副業しないと食っていけない」っていう人は、職業作家とかプロとフェッショナルとは言わないと思いますよ?出版社経由で売りに出した作品は、れっきとした「商業作品」でうけど。別にそういう人を馬鹿にしているわけではない。ただ、言葉の使い方の問題で。)
・・で、プロになるからには自由を犠牲にする、自由を犠牲にしてでもプロである/目指している私/オレ、超かっこE――
っていうその発想。
何なんでしょうね。
余程、普段の仕事も、一刻も早く辞めたいレベルで嫌々やっとるのかなぁ・・。
そりゃ、仕事中には好き勝手にしていいって意味での「自由」はないけど、それなりに熟練した人間であれば、「やりがい」くらいは持つのが普通ですよね。(熟練していなければ話は別です。)

何でしょうね。
例えば大学でも、「大卒」っていう肩書だけ欲しくて、学問なんかやるつもりもないのに進学する奴おるじゃないですか。
それと似ていて、「職業作家」という身分を名乗ってみたいがためだけに、アマチュア執筆活動をしている人っていうのもいるのかもしれませんね。
そういう人は、一発でかいの当ててカネになる事をちょっと夢見てるわけでもなく、小説の執筆に専念するためにプロを目指しているわけでもなく、――ただ「肩書き」が欲しいから書いている。
で、そんな目的のために、そんな苦労して受賞目指す必要あるんですか?という話ですが、「そういう苦労している私/オレ括弧E――」。
で、他のアマチュアの方々を皮肉交じりにコケにすると。的を射た批判ならまだしも、そうであるとは言い難い。

まあ、何でしょうかね。
大学受験に失敗し続けて、ずーーーーっと予備校生で、次第に心もすさんでしまっている人。
そういう人が、新人賞の応募者にもいるのかもしれませんねえ・・・。